こんにちは!探究.com編集部です!今回はスタッフの成熟度に応じてリーダーシップの図り方を適応させていく考え方「SL理論」についての投稿です。
スタッフや組織全体の成熟度が変わりゆくステージにあるマネジメント担当者、あるいは組織やチームのリーダーの方はぜひチェックしてみてください。
SL理論について
SL理論とは?
SL理論(Situational Leadership Theoryの略)とは、ハーシィ氏とブランチャード氏が提唱したリーダーシップの状況適用モデルです。スタッフに対して業務上の具体的な指示を行う「指示的行動」と、スタッフ自身の活動をサポートする「支援的行動」という2つの要素によって、リーダーシップの図り方を変えて適用させます。
スタッフが未成熟の初期段階では、具体的に指示を行う必要があり、成熟していくに連れて支援的な行動の割合が増え、最終的には委任へと移行するというモデルです。
S1.教示的
成熟度が低い段階では、スタッフの業務遂行能力がまだ低い状態のため、具体的な業務上の指示を行う必要があります。指示的で、監督的なリーダーシップを図ります。
S2.説得的
ある程度スタッフの能力が成熟してくると、具体的な指示を事細かにするというよりも、より上位目的や概念についての考えを伝達することがリーダーとしての役割になってきます。一方通行の情報伝達だけではなく、スタッフの疑問や問い、要望に対応することが求められます。
S3.参加的
さらにスタッフの成熟度が高まってくると、指示的な行動を極力減らして、スタッフ自身が考え、判断、実行する活動を支援する参加的なリーダーシップへと移行します。活動を強制することはしませんが、放置するのとは違います。スタッフがチャレンジするための適切な環境を整えるほか、振り返りやフィードバックの機会をつくって、スタッフのさらなる成長を促進します。
S4.委任的
最終的にスタッフの成熟度が高まり、スタッフ自身に責任を持って業務を任せられる段階に入ると、リーダーとしては指示的、支援的な行動共に極力行わず、委ねて見守る方向にシフトします。
スタッフ個別に働きかけ方を検討する場合
さて、ひとまずSL理論についての紹介はここまでとなります。スタッフの成熟度を見て、自身のリーダーシップのあり方を考えてみてはいかがでしょうか。もしスタッフ個別の成熟度を整理し、それぞれにあったリーダーシップの図り方を考える場合、下記の様に整理するのも良いでしょう。
スタッフの名前を挙げていき、それぞれの成熟度がおおよそどの段階にあるかを記入、その上で働きかけ方、教育の方針を検討するというものです。一人一人の成熟度の可視化、全体としてどの段階にあるのかを可視化することができます。
上記のフォーマットについては、パワーポイントのデータを掲載しておきますので、必要に応じてアレンジしてご活用ください。上記の例では「メンバー名」というスタッフ単位で情報を整理していますが、この欄を「チーム」単位で考えるなど、情報の抽象度も必要に応じて編集して活用することができます。
テンプレート:SL理論活用シート
関連フレームワーク
PM理論
PM理論とは、「Performance function(目標達成機能)」と「Maintenance function(集団維持機能)」の2つのバランスに着目することで、リーダーシップのあり方を考えるフレームワークです。SL理論と近い視点に着目しているので、合わせてチェックすることで、より深い理解を得られるでしょう。
関連:リーダーシップの分類「PM理論」
Will/Skillマトリクス
Will/Skillマトリクスとは、スタッフのWill(やる気)とSkill(能力)のバランスによって、働きかけ方を考えるフレームワークです。成熟度を考える上で、参考になる指標ですね。
関連:メンバーに合わせた育成方針を考えるWill/Skillマトリクス
おわりに
以上、スタッフの成熟度に合わせたリーダーシップの図り方を考えるフレームワークSL理論【組織開発】についてでした。もちろん、必ずしもSL理論の通りにリーダーシップを変容させなければいけない、という訳ではありません。ただ、漠然と「リーダーシップ」と考えているよりも、「教示的・説得的・参加的・委任的なリーダーシップ」と分類して考えてみることで、自身の身の振り方を考える参考になるのではないでしょうか。
それでは、本日もここまでお読みいただきありがとうございました。リーダーシップや組織の問題に関して、よければこちらの記事も合わせてチェックしてみてください。
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