こんにちは!探究.com編集部です。プロコン表はアイデアや企画内容の良い点と悪い点を客観的に比較し、意思決定の参考に使用できる有名なフレームワークの一つです。
テンプレートも掲載していますので、アイデアの分析や取捨選択を行いたいと考えている方はチェックしてみてください。
プロコン表について
プロコン表とは?
プロコン表とは、ある選択肢に対して「プロス(Pros):賛成意見」と「コンス(Cons):反対意見」の情報を整理・比較し、意思決定の参考素材を収集するためのフレームワークです。「プロコン表」の他、「プロコンリスト」と呼ばれることもあります。
プロスとは選択肢に対しての賛成意見であり、メリットや良い点などの情報が該当します。逆にコンスは反対意見であり、デメリットや悪い点などの情報が該当します。
プロコン表では、これらの情報を網羅的に書き出した上で、単体の選択肢または複数の選択肢の「判断」に関する意思決定の情報を明確化していきます。
プロコン表のイメージ例
上図はプロコン表のイメージ例です。「現在外注している社員研修を内製化する」というアイデア(選択肢)に対する、プロスコンスを挙げています。
この場合、プロスは「内製化した方が良い」という意見、コンスは「内製化せずにこのまま外注が良い」という意見を書き出し、整理していくことになりますね。
プロコン表を活用する際のポイント
前提に囚われずにプロスコンスの両方を書き出す
プロコン表を用いて情報を書き出す場合、書き出すメンバーの前提条件や立ち位置、認識などに囚われず、中立的な状態で要素を書き出すことが重要です。
例えば、賛成派のメンバーがプロスの要素ばかり出しているような状態では、正確に意思決定を行うための材料を集められているとは言えません。プロスコンス両方の意見を出すという意識付けや、双方の立場のメンバーを巻き込んでプロスコンスの書き出しを行うことがポイント。
MEMO
このような前提条件を一度取り払うためには、「思考のバイアス(偏り)」について理解すると良いでしょう。こちらの記事も合わせてチェックしてみてください。
関連記事:アイデア発想や評価では思考のバイアス(偏り)に気をつける
プロスコンスそれぞれの最大値を押さえる
プロコン表活用のポイント2つ目はプロスコンス双方の「最大値」を押さえる(明確化する)ことです。平たく言うと、ある選択肢における「最も良い点」と「最も悪い点」を明確にするということです。その振れ幅を知ることが、意思決定の場面で重要な要素となってきます。
この振れ幅を可視化するためにあるのが、各要素の「重要度」です。
例えば先ほどの例で言えば、「現場のリアルな技術までトータルで教育できる」「中長期的に見て金銭的コストを下げることができる」がこの選択肢の最大のプロス、「研修プログラムの品質が担保できない」が最大のコンスとなります。
プロコン表の活用フォーマット例
以下、プロコン表のフォーマット例とテンプレートを掲載しています。「前提に囚われずにプロスコンスの両方を書き出す」「プロスコンスそれぞれの最大値を押さえる」という2つのポイントを意識して活用してみてください。
単体の選択肢に対するプロコン表
一つの選択肢に対するプロスコンスを書き出して整理するオーソドックスなフォーマット。まず上部に検討する選択肢(今回はアイデア)を書き出し、下にプロスとコンスを書き出していきます。
重要度を検討する場合のプロコン表
本記事の中で紹介している、プロスコンスの各要素に対する重要度を評価する場合のフォーマットです。
重要度の欄には、1~5などの数字や○△などの記号を用いて評価すると良いでしょう。複数人で評価を行う場合は、評価基準を共有しておくことが必要です。
2つの選択肢のプロコンを比較する場合のプロコン表
こちらは2つの選択肢のプロスコンスを書き出し、どちらのアイデアを選択するかを検討する場合のプロコン表のフォーマット例です。二者択一の場面で活用すると役に立ちます。
3つ以上の選択肢のプロコンを比較する場合のプロコン表
3つ以上の選択肢について比較する場合は、上図の例の様に必要な分、行数を増やしていきます。ただし、あまりにも選択肢が多くなりすぎると判断が難しくなるため、事前に似ている要素はまとめ、選択肢をある程度絞っておくことが望ましいですね。
フレームのテンプレート
本記事内で紹介した4つのフレームについてパワーポイントで作成したテンプレートのデータを掲載させていただきます。目的に応じて編集し、ご活用ください。
テンプレート:プロコン表
おわりに
以上、意思決定に活用できるフレームワーク「プロコン表」のテンプレートについてでした。アイデアの選定、意思決定の場面で参考になれば幸いです。
なお、プロスコンスをもう少し分解して考える「意思決定マトリクス」も、アイデアの選択時には合わせて活用される代表的なフレームワークです。
意思決定マトリクスについては下記の記事で紹介していますので、合わせて活用する場合は参考にしてみてください。
それでは、本日もここまでお読みいただきありがとうございました。よければこちらの記事も合わせてお読みください。
関連記事:アイデアを評価・選択するフレームワーク「ペイオフマトリクス」