こんにちは!本日は組織の資源や強みを分析する際に活用できるフレームワーク「VRIO」について投稿しています。自社の持つリソース(資源)について、競争優位性があるかどうか、また、どのように競争優位性を築いていくのか?について検討する際に活用できます。
自社や自社事業の分析を行いたいという方、事業の今後の方向性をプランニングする必要のある方などはぜひチェックしてみてください。
VRIO分析について
VRIO分析とは?
企業が競争優位性を保てるかどうかは、企業の経営資源とそれを活用する能力(ケイパビリティ)にかかっているという考え方があります。これをリソース・ベースト・ビュー(RBV)と呼びます。
そして、その経営資源と活用能力について分析する手法が、今回ピックアップしているVRIO分析です。自社の強みや競争優位性を分析するために活用される分析系のフレームワークとなっています。
上図はVRIO分析の一例です。各リソース(資源)に対してVRIOの切り口から問いかけ、情報を収集・整理していきます。以下ではまず、「VRIO」が表す意味について整理しておきます。
VRIOの構成要素
経済価値(Value)
その経営資源を持っていることで、自社は市場環境において強みを発揮できたり、競合の強みを無力化することができるかどうか。
希少性(Rarity)
その経営資源を持っている企業は少数であるか(保有しているライバルは少ないか)どうか。
模倣困難性(Inimitability)
その経営資源において、他者が真似しにくい(模倣や開発のコストが高い)ような状態にあるかどうか。
組織(Organization)
その資源を活用するための組織体制や制度(ルール)、報酬形態などが整っているかどうか。各資源について現在の状況を評価したのち、改善策を考えていきます。
VRIO分析の活用手順
分析対象とするリソースを書き出す
VRIO分析を行うにあたり、まずは評価・分析する対象となるリソースの項目を設定します。初めてVRIO分析を活用する際、何を設定すれば良いか迷った時はバリューチェーンで導き出される価値提供の活動プロセスを参考にするのもオススメです。
情報を収集して整理、評価する
各リソース項目に関する情報をVRIOに従って情報収集、評価をしていきます。この時、基本的には「V→R→I→O」の順に評価を行っていきます。また、今現在の状況と合わせて、将来的にどうなるか?と言う視点も入れて、評価を行うとなお良いでしょう。
また、イメージとして「VRI」の3つはリソースそのものの価値を問う評価項目、「O」はそのリソースを使いこなせるか?という評価項目であるということも意識しておくと、VRIO分析を活用しやすくなります。
今後の方向性を決める
評価を終えたら、各リソースについて今後どのようなポイントを強化していくのか?どのリソースを強化することで競争優位性を見出していくのか?という対策の方向性を整理します。
VRIO分析活用にあたって
ここまでの流れを振り返ると下記の通りです。
VRIO分析活用の流れ振り返り
・分析対象とするリソースを書き出す
・情報を収集して整理、評価する
・今後の方向性を決める
この流れを個人、または複数人で実施します。複数人でVRIO分析を行う場合は、各項目に対する評価基準を事前に擦り合わせておくと良いでしょう。また、今回は評価を「○△×」の記号を用いて3段階に分けていますが、数字を用いて10段階採点を行うと言うスタイルでも構いません。
以下に、本記事内でピックアップしているサンプルのテンプレートも掲載していますので、活用して見てください。
フレームワークのテンプレート
今回ピックアップしたVRIO分析のフレームワークについて、パワーポイントで作成したテンプレートデータを掲載させていただきます。自社事業の分析の際など、目的に応じてご活用ください。
テンプレート:VRIO分析
おわりに
以上、自社の経営資源について分析するフレームワークVRIO分析のテンプレートについてでした。限られた少数のメンバーだけで分析するのではなく、ぜひ多様なメンバーの声をもとに分析してみてください。
それでは、本日もここまでお読みいただきありがとうございました。より分析を効果的に行うために、よければこちらも合わせてお読みください♪
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