必要性と欲求の2軸で業務を振り返るフレームワーク「Need/Wantマトリクス」

こんにちは!探究.com編集部です。本日も人と組織の問題について考えて行きたいと思います。今回ピックアップしているのは「Need/Wantマトリクス」というフレームワークについてです。

組織をマネジメントする側はもちろん、組織の中で活動する個人としても知っておきたい手法の一つです。現状の業務状況を振り返る際など、ぜひチェックしてみてください。

Need/Wantマトリクスについて

Need/Wantマトリクスとは?

必要性と欲求の2軸で業務を振り返るフレームワーク「Need/Wantマトリクス」

Need/Wantマトリクスとは、Need:(組織にとっての)必要性と、Want:欲求の2軸でマトリクスを構成し、業務の振り返りを行うフレームワークです。

必要性とは、組織が掲げているMVV(※ミッション・ビジョン・バリュー)、およびMVVに紐づいて設計された戦略や戦術に対して、どれくらい必要性があるか、どれくらい貢献度が高いかを考える評価軸です。

欲求とは、業務を実行するメンバー自身が、その業務をどれくらいやりたいと感じているか、という欲求に関する評価軸です。個人がどの程度自分の長期的なキャリアや目標を描いており、そこにどの程度、業務が紐づいて意味づけできているかがポイントとなります。

Need/Wantマトリクスは、これら2つの評価軸で業務を振り返ることで、組織と個人のベクトルを合わせていく手法と言えます。以下、4つの各象限について見ていきます。

必要性(高)×欲求(高)

必要性が高く、個人の欲求レベルも高い領域。組織が目指すビジョンや目標に直結する業務であり、かつ個人のキャリアを形成する上でもプラスとなる重要な業務。この領域の業務に集中できるほど組織は強くなります。

必要性(低)×欲求(高)

必要性は低いが個人の欲求としては高い領域。趣味やライフワーク的な要素が分類されます。高いモチベーションで臨むことができますが、組織としての持続性が低いため、全体のバランスや全体への貢献の仕組みに関する工夫が必要です。

必要性(高)×欲求(低)

組織としての必要性は高いものの、個人の欲求に結びついていない領域。義務的な要素が分類されます。成果を求めるあまり、ここの領域での業務の割合が増えすぎると、メンバーには疲労が溜まるため、注意が必要です。

個人のキャリアを考えた上で、どの様に意味づけを行っていくのかが重要になってきます。

必要性(低)×欲求(低)

組織にとっての必要性が低く、個人にとっての欲求も低い領域。この領域の業務については業務を省略したり、簡素化したり、可能な限り避ける方向で考えます。

Need/Wantマトリクスの活用手順

実施している業務を書き出す

まずは現状取り組んでいる業務を書き出します。日毎に取り組んでいる業務、週毎、月毎、プロジェクト単位で書き出すなど、幅広い範囲で考えると良いでしょう。

マトリクス上に配置して可視化する

必要性と欲求の2軸で業務を振り返るフレームワーク「Need/Wantマトリクス」

書き出した各業務を整理します。マトリクスに配置することで、全体像を俯瞰して把握することが可能となります。上記は、家電メーカーマーケティング部門の若手スタッフの事例を簡易に書き出したものです。

優先順位の決定や今後の方針の検討を行う

必要性と欲求の2軸で業務を振り返るフレームワーク「Need/Wantマトリクス」

マトリクスに整理した上で、どの業務に注力するのかという優先順位の決定、および各業務の今後の方向性を検討します。

フレームのテンプレート

今回ピックアップした「Need/Wantマトリクス」について、パワーポイントで作成した上記フレームのテンプレートデータを掲載しています。目的に応じて編集し、ご活用ください。

テンプレート:Need/Wantマトリクス

おわりに

以上、必要性と欲求の2軸で業務を振り返るフレームワーク「Need/Wantマトリクス」についてでした。Need/Wantマトリクスは比較的に中長期的な優先順位の決定手法です。短期的な優先順の決定手法としては「重要度/緊急度マトリクス」や「ペイオフマトリクス」が有名ですね。

それでは、本日もここまでお読みいただきありがとうございました。よければこちらも合わせてお読みください♪

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