こんにちは!探究.com編集部です。本日は問題解決において、取り組む課題の優先順位を決定する段階で活用したい「意思決定マトリクス」についての投稿です。
今回は企画立案の流れの中で紹介するため、課題の優先順位決定がテーマとなりますが、この意思決定マトリクスは複数の選択肢を評価・選定するという場面において汎用的に活用することが可能です。何かしらの意思決定を行う場面のある方はぜひチェックしてみてください。
意思決定マトリクスについて
意思決定マトリクスとは?
意思決定マトリクスは、問題やアイデアなど、複数の選択肢を評価・選定する際に活用する手法の一つです。評価項目と合わせて「各評価項目の重み」を設定するところが特徴。
複数の選択肢を比較・俯瞰して評価することができる。また、主観だけでなく定量的・客観的に評価することができる。などのメリットを持っています。
上図は意思決定マトリクスを評価シート化したフレームのイメージ例です。この例では、売り上げが落ちているという問題に対する課題を抽出し、どの課題から着手するか?という意思決定のシーンを想定しています。
それぞれの評価項目毎のポイントを収集・集計し、各選択肢を評価、意思決定の参考にします。個人での活用はもちろん、複数人に対してアンケート形式で活用することも可能です。
意思決定マトリクス活用手順
以下、サンプルを参考にして、意思決定マトリクス活用の大まかな手順を紹介させていただきます。
評価対象を整理する
まず左側の列に評価の対象となる選択肢を整理して記入します。今回であれば取り組みたいと考えている課題の候補が該当します。
例えば「営業先のデータベースを整理し、顧客ランク分けと営業スケジュールの作成を実施する。」や「新入社員用の教育研修マニュアルを作成する」など。(課題の整理ができていない場合は、課題設定シートなどを活用するのもオススメです)
評価項目と重みを設定する
次に上部の行に、評価項目と評価項目の重みを記入します。例では「緊急性・実現性・収益性・将来性」の4つを設定していますが、ここは目的に応じて適切な評価項目を選定し、設定します。
また、それぞれの評価項目に重みを設定しているところがこの意思決定マトリクスのポイントです。自社にとって今重要な評価軸は何か?を議論し、項目と重みを設定します。
下記に評価項目の例をピックアップしていますので、参考にして設定してみてください。各評価項目の意味や定義などを明確にしてから評価に入りましょう(緊急とはどういう状態か?重要とはどういう状態か?について確認するなど)。
評価項目の例
緊急性、重要性、実現性、収益性、効果性、将来性、危険度(リスク)、難易度、インパクト、変動性など
補足
危険度や難易度などを負の要因として評価項目に加える場合は、重みを「-1(マイナス1)」など負の値に設定して集計を行います。
評価を行う
選択肢と評価項目が準備できたら、実際に各項目を点数化して評価していきます。(サンプルでは、各項目を5点満点で点数化しています。)全項目について点数化が完了したら、右の列に合計点を集計し、選択します。
なお、この意思決定マトリクスで数値的な順位が導き出されますが、必ずしもここで合計点数が最高数値を出したものを選択しなければいけないという訳ではありません。
例えば上図では、選択肢3が合計点数では最高値を出しており、優先順位が高いと考えられます。会社の未来について力点を置いて考えるのであれば、選択肢5は無視できない重要な選択肢となります。
あくまでも意思決定マトリクスは選択肢を多面的・客観的に評価し、意思決定の参考にすることが目的ですので、最終的な意思決定はここで導き出される数値を手元に置きながら、メンバーとの対話の中で決定します。
フレームのテンプレート
PowerPoint版
今回ピックアップさせていただいた「意思決定マトリクス」のフレームについて、パワーポイントで作成したテンプレートを掲載させていただきます。目的に応じて項目や行・列の数を編集し、ご活用ください。
テンプレート:意思決定マトリクス(PowerPoint)
Excel版
同じく意思決定マトリクスのフレームについて、Excelで作成したバージョンのデータとなります。多くの選択肢をまとめて整理したい、何度も繰り返し計算をしたいという方はこちらをご活用ください。
テンプレート:意思決定マトリクス(Excel)
おわりに
以上、取り組む課題の優先順位を検討する意思決定マトリクス【テンプレート掲載】についてでした。日々様々な意思決定を行う必要のあるビジネスシーンにおいて、主観のみではなく、客観的に、定量的に意思決定したいという方は是非、活用してみてください。
それでは、本日もここまでお読みいただきありがとうございました。意思決定マトリクスと合わせてよければ下記の記事も合わせてチェックしてみてください。
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