こんにちは!探究.com編集部です。今回はイベントの企画をまとめるための、イベント企画書に関する書き方の投稿です。
キャンペーンや展示会などなど、イベントの企画を立てて提案したい。でも、企画書に何を書けば良いのか分からない。という方は参考にしてみてください。
本記事では、まずイベント企画とは?という考え方について共有した後、イベント企画書の作成について触れていきます。概念は読み飛ばして企画書の書き方部分だけ読みたいという場合はこちらから読み飛ばしてください。
- イベント企画について考える
- 良いイベント企画とは何か?
- 目的によって良いイベントの定義は変わってくる
- ターゲットを明確にする
- イベントの狙いや目標を明確にする
- イベント企画書の構成例と書き方
- イベント企画書の構成例
- イベント企画書テンプレート
- イベント企画書と合わせて用意したい資料
- イベント企画を具体的に掘り下げることで、イベント企画書のレベルを高める
- イベント企画運営関連記事
- イベント企画の運営の参考になる記事を合わせて配信しています
イベント企画について考える
“良いイベント企画”とは?
イベント企画書を作成していく前に、まず一度「イベント企画って?」というところを一緒に考えておきたいと思います。イベントと一言で言っても、体験会、キャンペーン、ライブイベント、セミナー、コンサート、展示会、チャリティーイベントetc… 様々なイベントが行われています。
突然ではありますが、ここで一つの問いを共有しておきたいと思います。一度スクロールを止めて、1分で良いので考えてみてください。
さて、どのようなことが思い浮かぶでしょうか。来場者数が多いイベント、テレビに取り上げられるようなイベント、お客様が楽しんでくれるイベントetc…
目的によって良いイベントの定義は変わってくる
例として良いイベントの条件として「来場者数が多い」という要素を出してみます。実施するイベントがアーティストの作品展示会で、より多くの人に認知してもらうことが目的だとすると、「来場者数が多い」は優先的な「良いイベント」の条件と言えそうです。
一方で、パートナー募集の説明会や、個別の相談会など、少数の人と濃いコミュニケーションが目的の場合、「来場者数が多い」ということが必ずしも「良いイベント」の条件に当てはまらない(優先的ではない)場合もあります。
イベント企画を立てる(イベント企画書を書く)時は、まずイベントの目的を明確にして、自社にとって良いイベントとは何か?を把握することがポイント
このように、目的や状況に応じて、良いイベントの条件や定義は変わってきます。なぜなら、イベント企画もまた、課題解決の手段の一つだからです。
そのため、イベント企画の立案を担当する場合は、闇雲に「それっぽいイベント」を考えるのではなく、どのような目的や意図、狙いを持ってイベントを実施するのか?を明確にすることがポイントです。そのためのエッセンスとして、以下では「ターゲットの明確化」と「狙いや目標の明確化」という視点について触れていきます。
ターゲットを明確にする
ペルソナを考える
イベントを企画するターゲットを明確にします。ターゲットの明確化でまず定番なのがペルソナ情報の整理ですね。イベントのターゲットを属性という視点から具体的に考えます。
子ども向けなのか大人向けなのか?で料金設定も変わってきますし、主婦層なのかサラリーマンなのかで適切な開催時間も変わってきます。ペルソナ像がしっかりしていないと、ユーザーを置き去りにした、作り手側にとって都合の「良いイベント」になりかねないので注意が必要なポイントですね。
関連記事:ターゲット像を明確にしよう!ペルソナシートの書き方とテンプレート配信
属性で考える
また、新規客なのか、既存客なのか、もしくは既存客の紹介客なのかなど。そして既存客の中でも頻繁に利用してくださっているお客様なのか、購入頻度が低いお客様なのか?といった顧客情報を一度整理、分析を行い、イベント企画のコアターゲットを明確化します。
↑利用金額/利用頻度のマトリクスからどの層のお客様にアプローチするのか?を分析する際のフレームワーク例。
イベントの狙いや目標を明確にする
次に、イベント企画を実施する狙いや目標という視点から、イベント企画の目的や良いイベントの定義について考えてみます。イベント企画を通じて、どんなユーザーに対してどのようなステップを進んでもらいたいのか?について考えます。
例えば顧客心理段階。認知をあげる目的でイベント企画を打つのか、それとも行動を起こしてもらうための後押し的な目的でイベントを打つのか?でイベント企画に求められる要素も変わってきます。
関連記事:アプローチは心理段階ごとに考える!AIDMAのフレームワークテンプレート配信中
ここまでで「ターゲットの明確化」と「狙いや目標の明確化」という視点に立って、イベント企画というものについて考えてみました。上記のような要素は一つの例ですが、イベント企画を企画する際は、何のためにイベントを打ち、どんな結果を目指すのか?を考えた上で、詳細を考えていくということがお伝えしたいポイントです。
イベント企画書の構成例と書き方
さて、ではここから実際にイベント企画を考える際、およびイベント企画書へと落とし込んでいく時に最低限考えておきたい項目について触れていきたいと思います。
イベント企画書の構成例
イベント企画を立案し、イベント企画書を作成する場合、下記のような項目については最低限押さえておきたい。
- ターゲット
- コンセプト
- 狙いと目的
- 目標設定
- イベント概要
今回は、イベント企画書に必要な情報を、上記の様なテンプレートをベースに整理していく手順を紹介します。こちらのテンプレートはパワポデータを下記リンクよりダウンロード可能ですので、実際に編集しながらご活用ください。
テンプレート:イベント企画書
ターゲット
まずはこのイベント企画のメインターゲットについて設定します。このターゲットの設定が曖昧では、後述する「コンセプト」や「狙い」が設計できません。「誰に」「何を」届けるのか?にあたる「誰に」の部分を具体的に設定します。
万人を満足させるイベントはできない。狙うターゲットは具体的に絞る。
また、実際に既存の事業を運営している場合は、その事業のメインターゲットが決まっているので、そのターゲット像をそのまま設定するのはありか?と考えることもできます。しかし、あえてイベント企画を企画する訳ですので、普段接しているユーザー情報の中から、具体的にこういう人にこのイベントに来て欲しい!という要素を抽出して設定するのがオススメです。
コンセプト
設定したターゲットに対してどのような価値を届けるのか?を設定します。設定したコンセプトに沿って、イベントの概要やツール類の詳細が決まっていきます。
ターゲットとコンセプトの設定は一発で簡単に決まるものではないため、何度が往復して考える。
なお、このターゲットとコンセプト(=誰に・何を)は、一発で簡単に決まる訳ではありません。いくつかの候補を書き出してみて、どのような組み合わせが良いだろうか?と吟味します。その際、ターゲットとコンセプトの組み合わせをいくつか書き出してみて整理するシートも配信しておりますので、困った時は合わせて使用してみてください。
関連記事:【企画立案】誰に・何を届けるのか?ブレストシート※パワポのテンプレートあり
狙いと目的
イベント企画を通じて何を達成したいのか、という目的や狙いを設定します。何を目的にイベントを行うのか?ここが明確になっていなければ、周りの人物はイベント実施の意義を感じてくれません。
イベント企画はあくまでも手段。全体から見たイベント企画の意図がきちんと持てているか
イベント企画はあくまでも全体から見れば手段に過ぎません。冒頭で触れた、顧客心理段階においてどのステップを促進するための施作なのか?という情報や、このイベントの「後」についてどれだけ考えられているかなど、このイベント企画に対してどのような意図を持っているかを周知できることが重要です。
目標設定
狙いや目的に沿った目標を設定します。この目標設定は定量的(数値化できる状態)に設定します。なぜなら、定量的な目標がなければ、イベント終了後にイベントの良し悪しを細かく振り返ることが難しくなるからです。
指標となるのは「参加者数」だけではない
イベント企画と言えば「参加者数」だけに目が行ってしまいがちですが、参加者数はあくまでも一つの指標に過ぎません。設定する指標としてはイベント参加者数、クーポン利用者数、アンケート回答者数、購入者数、お問い合わせ数、再訪問者数(※長期的な測定)など、前後の要素を含みます。
イベント概要
ここまでに設計してきたターゲット、コンセプト、狙い・目的、目標を満たすイベントの内容を設計します。過去に開催したイベントや、同じようなターゲットに対して開催されているイベントなどをリサーチして概要を固めます。
- イベントタイトル(+キャッチコピー)
- イベント開催日時
- タイムテーブル案
- 来場予定者数
- 入場料
- イメージ写真
- 会場図
- 販売商品がある場合は商品リスト
上記のような項目を整理していきますが、A4用紙の半面ではスペース的に収まらないという場合は、別途独立した資料として作成します。
また、ここまでで触れたきた要素はイベント企画の概要を固めて企画書(提案書)に整理する段階において、必要最低限必要な情報という位置付けです。実際にイベント企画を具現化していくにはもう少し周辺の情報も必要です。その他に必要な要素については本記事の下部に合わせて紹介しています。
イベント企画書のサンプルイメージ
百聞は一見にしかずという訳で、イベント企画書のサンプルイメージを掲載させていただきます。イメージがができない…という場合は一つの参考にしてみてください。
想定としては、「エステに興味はあるものの、いきなりお店に入るのはちょっと心理的に壁が高いという人向け」に、「参加しやすいメイク教室を開催する」というイベント企画をイメージしています。
イベント企画書テンプレート
ひとまず、ここまでにピックアップしてきた情報を整理するためにフレーム化したイベント企画書テンプレートを添付させていただきます。パワーポイントデータをダウンロードいただけますので、目的に応じて編集してご活用ください。
テンプレート:イベント企画書
イベント企画書と合わせて用意したい資料
イベント企画を具体的に掘り下げることで、イベント企画書のレベルを高める
上記のイベント書テンプレートの他、実際にイベント企画書を立案・運営するにあたり、必要となってくる情報をテンプレートと合わせてピックアップさせていただきます。企画の進行段階に応じてご活用ください。
- ツール設計書
- 収支表
- スケジュール
- ガントチャート年間イベントカレンダー
ツール設計書
イベント企画の運営において必要となるツールの設計書となります。イベントが実際に動き出すためにはツールが必須となり、ツールの仕様を考えることでイベント企画の具体化にも繋がります。具体的には「①ツール一覧表」と「②ツール概要書」の2種類の資料として落とし込みます。
ツール一覧表
イベント企画の準備、広報、実施、事後フォローなどの各運営プロセスにおいて必要となるツールの一覧表です。全体でどのようなツールがどれくらい必要なのか、どれくらいコストがかかるのか、を整理しておきます。
無計画にツールを作ってしまうと、必要以上にコストがかかってしまったり、作成管理が雑になってしまいます。例え作成するツールの数が少なくとも一覧表を作成しておくのがオススメです。
ツール概要書
一つ一つのツールに関する概要を記入するシートです。ツール一覧表に整理したツールそれぞれの具体的な構成や仕様を記入します。ツールイメージの部分には、具体的なビジュアルイメージのラフを作成して記述します。
テンプレート:ツール設計書テンプレート
収支表
イベント企画の運営に必要となる金銭的コストを整理します。イベントには細々とした費用が必要となってきますので、あらかじめ一覧にしておくとコスト感が分かりやすくなります。
イベント参加費やスポンサー料などの収入がある場合は、ここで合わせて計算しておくと良いでしょう。
テンプレート:収支表
スケジュール
企画には日付が入ってこそ実現が可能。イベント企画の場合は、イベントの日付から逆算して準備するものが多数ありますので、スケジュール設計は欠かせません。
下記の「ガントチャート」に業務一覧と共に落とし込むと良いでしょう。
ガントチャート
スケジュールに基づいて役割分担を行い、各業務の動きを把握するための資料がガントチャートです。
複数人が運営に関わる様な場合は、役割分担がきちんとできているかどうかはイベント企画の結果に直結するので、ここは丁寧に作成・共有したいところです。
テンプレート:ガントチャートテンプレート
年間イベントカレンダー
イベント企画を立案し、イベント企画書を作成する際に意識しておきたいのがカレンダーです。イベントを単体で考えるのではなく、顧客育成の視点を持って、サイクルを設計していきます。
年間のイベント開催予定を決めておくと次へ次へと攻めの動きを取ることができるため、イベント企画書を作成する初期の段階で作成しておきたいところ。
テンプレート:イベントカレンダー
必要に応じて資料(情報)を追加していく
ひとまずイベント企画書と合わせて用意したい資料についてのピックアップはここまでとさせていただきます。実際に具体的にイベント企画を詰めていくと、もう少し個別の情報が必要になってくる場合があります。(スポンサー資料や現場のオペレーション資料、商品に関する資料etc)イベント企画を詰める中で、必要だなと思う情報については随時追記していくようにしてください。
おわりに
そのほか、イベント企画の運営の参考になる記事を合わせて配信しています!
本サイト探究.comでは、イベント企画書の作成および、イベント企画の運営時に参考になる情報について、随時記事を追加しています。よければ合わせてチェックしてみてください。スポンサー(協賛)企業向けの企画提案資料の構成例イベント企画を練る際に参考になる季節ごとのキーワードイベント企画の運営時に必須の申し込み受付フォーム設置サービスおすすめ2選イベント企画で使える備品管理表テンプレート
以上、イベント企画書(催事企画書)の書き方・構成とテンプレートについてでした。
それでは、本日もここまでお読みいただきありがとうございました!