こんにちは!今回は企画運営において、各業務の責任の所在を可視化・共有するフレームワーク「RACI」とそのテンプレートについての投稿です。
部門や組織を横断して企画運営を行う機会の増えてきた近年、誰が何を実行するのか?責任を持つのか?という認識の共有が重要になってきていますね。役割分担を可視化するための方法論として、RACIは役に立つフレームワークの一つです。複数人で企画の運営を行う機会のある方はぜひチェックしてみてください。
RACIについて
RACIとは?
RACIとは、個人やチームに割り当てられた役割を定義・可視化し、企画運営中の責任や情報の所在を明確にする手法の一つです(上図参照)。構成要素の4種類の頭文字を取ったのがRACIという名称で、その内容は下記の通り。
RACIの構成要素実行責任者(Responsible)説明責任者(Accountable)相談先(Consulted)報告先(Informed)
RACIがあることで、企画運営途中で責任(誰が最終的にコミットするのか)があやふやになって自然消滅してしまったり、停滞してしまう自体を軽減することができます。
R:実行責任者(Responsible)
業務(タスク)の実行に責任を持つ役割。誰よりも業務の実行に責任とリソースを割くことはもちろん、実行内容とその結果について、Aの説明責任者に報告する義務があります。
また、業務の実行に際して知識や経験が不足している場合は、抱え込まずにCの相談先に相談します。
A:説明責任者(Accountable)
ユーザーや経営陣、取引先など企画運営に関わる人(ステークホルダー)へ、企画の進捗や現状について、説明できるという体制に責任を持つ役割。※説明できるということは、担当する企画の情報を吸い上げて整理するという管理的な業務に責任を持つということを意味します。
また、説明責任者は全体の情報を集約している人物です。実行責任者が円滑に業務を実行するにあたり、無理を感じたら問題提起を行い、調整を行うという役割も担います。
C:相談先(Consulted)
業務の実行において、メンバーが円滑に企画を進めていけるよう、業務の実行を支援・アドバイスすることに責任を持つ役割。実行責任者から相談があった場合は、問題課題の全体像を可視化し、促進するための問いとプランニング(解決策の設計)を支援します。
I:報告先(Informed)
企画の進捗や業務の状況を受け取ることに責任を持つ役割。逆に言うと、最低限報告を行うべき人物を指します。
※相談役と報告先の違いについてですが、業務の実行前(プランニング段階)や実行中に相談するのが相談者、業務完了後に報告するのが報告者というニュアンスの違いがあります。
RACIの活用手順
①業務と担当者を書き出す
取り組むべき業務内容と、各担当者を書き出します。業務内容を具体的に書き出す場合もあれば、プロジェクト単位で書き出す場合もあります。また、当記事のサンプルでは担当者を個人レベルで書き出していますが、部門や役職単位で書き出す場合もあり、目的に対して適切な抽象度で設定します。
②RACIの各役割を設定する
各業務に対して、誰がRACIの役割を担うのかを整理し、記入していきます。ひととおりRACIを設定したら、各役割が曖昧な部分がないかを確認し、メンバーが参照できる場所に置いて共有します。(例えば、事務所のホワイトボードに張り出す、企画書の中に一覧を組み込む、スプレッドシートなどのオンラインツールで可視化するなど)
RACIフレームのテンプレート
RACIテンプレート(PowerPoint版)
さて、今回ピックアップさせていただいたフレームワークRACIについて、パワーポイントで作成したテンプレートを掲載させていただきます。行や列の数など、目的に応じてご活用ください。
テンプレート:RACI(PowerPoint)
RACIテンプレート(Excel版)
記事をお読みいただいた方からExcel版のテンプレートが欲しいというお声を頂戴したので、Excel版のRACIテンプレートデータも合わせて掲載させていただきます。
テンプレート:RACI(Excel)
おわりに
以上、業務の責任者を可視化・共有するビジネスフレームワークRACI【テンプレートダウンロード可】についてでした。多様なメンバーがそれぞれに仕事を抱えながら一つのプロジェクトを運営する今、役割分担の明確化は企画の成功に必須の条件と言えるでしょう。役割分担に悩みを抱えている方はぜひこのRACIの考え方を取り入れてみてはいかがでしょうか。
本日もここまでお読みいただきありがとうございました。よければこちらも合わせてお読みください♪
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