こんにちは!探究.com編集部です。交渉や競争において、総和が常に0になる状態をゼロサムと言います。ゼロサムの状態では、だれかが利益を得ることによって、他の誰かが損失を被ることとなります。ビジネスで言えばお客様の奪い合いの状態です。
今回は、それに対する「プラスサム」について投稿しています。ゼロサムについては下記の記事でも紹介しているのでよければ先にチェックしてみてください。
企画立案・戦略設計でプラスサム思考を活用する
プラスサム思考とは?
ゼロサムに対して、総和が0にならない状態をノンゼロサムと言い、その中でも総和がプラスになる状態をプラスサムと呼びます。というわけで、今回のテーマであるプラスサム思考とは、限られた総和を奪い合うのではなく、全体の総和を拡張することで全員が利益を得る(Win-Winになる)方法を模索する考え方です。
プラスサム思考のメリット|対立から協調へ
プラスサム思考の利点は、ゼロサム状態の場合には敵対してしまう相手と協力関係を築くことができる点にあります。競争が発生した場合、目の前にある争点の一つ高いレベルで、共有できる目的や目標を生み出すことができないかを考えてみましょう。
プラスサム思考の活用手順
自社の目的や目標を明確にする
実行しようとしている企画や画策している戦略など、まず何をしようとしていて、その結果として何を得ようとしているのかを明確にします。例えば自社が商店街で蕎麦屋を経営していると、得ようとするのは商店街で食事をするお客様とります。
競合(対立相手)を可視化する
どのような競争が起きるかを考えます。共通の目的や目標を持つ個人・組織に注目します。商店街の蕎麦屋の場合で言うと、同じように商店街で飲食店を経営するうどん屋や定食屋などが競合として考えられます。そしてここでは「商店街での食事」という市場の獲得を目指して競争している構図が存在します。
総和を拡張する論点に目を向ける
競争の目的となる対象の総和を増やす論点を考えます。例の場合で言えば「商店街で食事をする人」の奪い合いをする方法を考えるのではなく、商店街で食事をする人の数を増やす方法を考えるということです。
存在する総和を奪い合うのではなく、一緒につくり上げて分け合おうとする姿勢が重要になります。また、プラスサム思考の実行には、対立して向き合うのではなく、両者が同じ方向を向いて目指すことのできる目的・目標の設計が鍵を握ります。
具体的なアイデアを考えて実行する
具体的な行動アイデアとして、商店街の活性化イベントを共同で開催して新規顧客を呼び込み合ったり、商店街のお得情報を配信するメディアを立ち上げるなどのアイデアを出し、協力して実戦します。
おわりに
以上、奪い合うのではなく富の総和を増やす方法を考えるプラスサム 思考【思考法】についてでした。ビジネスを運営して行く上で競争は欠かせませんが、その「競争」とは「敵を倒すこと」ではなく「より独自の良い価値を生み出す」という視点で、業界を牽引していけるような事業、企画を生み出したいですね。
それでは、本日もここまでお読みいただきありがとうございました。問題解決の思考法に関連して、こちらの記事も合わせてチェックしてみてください。