商品開発やマーケティングを考える際に知っておきたい「水平思考」【アイデア発想】

こんにちは!探究.com編集部です。今回は商品開発や企画立案、マーケティング施策のアイデア出しなどの場面で活躍する思考法「水平思考」についての投稿です。

論理的な思考だけではたどり着けないアイデアを生み出す水平思考、アイデアがマンネリ化してきている、ロジックにこだわりすぎている自分がいると感じている方などはぜひチェックしてみてください。

水平思考について

水平思考とは?

水平思考(ラテラル・シンキング)とは、エドワード・デボノが提唱した「既存の前提に囚われることなく、柔軟に発想を広げる思考法」です。既知の事実を前提として論理を連続的に構築する「論理的思考」と対を成す思考法とされます。(※このように対比的に考える場合、「論理的思考」のことを「垂直思考(バーティカル・シンキング)」と呼ぶことがあります。)

論理的な思考には限界がある

垂直思考では、正しい情報を論理的に組み上げることによって合理的な結論を導き出すことができる一方で、既成概念や成功体験、個々の専門性がフィルターとなって、斬新な発想を得にくいという弱点を持っています。

これは、論理的に考えるということがそもそも、誰から見ても筋道だった結論を導き出そうとする思考なので、それがメリットであり、デメリットにもなり得るという話で、ことアイデア発想の発散段階や着想段階ではデメリットとして働きやすいということを意味します。

アイデア発想で活きる水平思考

商品開発やマーケティングを考える際に知っておきたい水平思考【アイデア発想】

一方、水平思考では、論理的な「正しさ」に縛られることなく自由に発想を行うため、思考の幅を広げることができます。「新しいアイデア」「これまでになかったアイデア」を求められる今、知っておくと武器になる思考法と言えるでしょう。垂直思考だけでは発想の糸口を見出せない時、頭を水平思考に切り替え、新しい着想の視点を探して見ましょう。

水平思考の考え方

思考対象を選択する

まずはじめに思考の対象となるモノを選択します。自身が解決したいと思っている問題や課題が思考の対象となる場合もあれば、そこからもう少しブレイクダウンして、何か特定の「モノ」が思考の対象となる場合もあります。

水平移動でギャップをつくる

商品開発やマーケティングを考える際に知っておきたい水平思考【アイデア発想】

設定した思考対象について考えられることをまず書き出し、水平移動を行うことで論理を一度崩してみます。花は「枯れる」ものですが、ここで「枯れない」と考えることが水平移動のイメージとなります。

水平移動を行ったことによって、「花は枯れない」という論理を崩し、「枯れない花」という新しい概念を獲得することができます。このように、思考対象から思い浮かぶ構成要素を分解し、それらを水平移動させることができないか検討してみましょう。

MEMO
水平移動のさせ方の切り口に悩んだら「代用・逆転・結合・強調・除去・並べ替え」を用いて発想してみるのも良いでしょう。ただし、水平思考はこうした枠組みやフレームワーク的な発想に囚われずに自由に思考を巡らせることが本来の魅力であるため、この切り口に囚われてしまわないよう注意することも重要です。

ギャップを埋める(連結させる)

商品開発やマーケティングを考える際に知っておきたい水平思考【アイデア発想】

水平移動を行い「枯れない花」という新しい概念を獲得した訳ですが、ここには既知の論理との間にギャップが生じています。この、「花」と「枯れない」にあるギャップを埋める(連結させる)ところに、新しいアイデアが生まれます。この例の場合であれば、花の素材を変更することによって「造花」というアイデアの方向性を見出すことが一例として挙げられます。

水平思考によって柔軟な視点を得た後は、「では、実際にどうすればそれを実現できるだろうか?」という発想で具現化していきます。アイデアの発散や着想段階では水平思考によって柔軟性を確保し、アイデアを統合していく段階では、垂直思考が必要となってくるという訳ですね。

おわりに

以上、商品開発やマーケティングを考える際に知っておきたい水平思考【アイデア発想】についてでした。ビジネスシーンはもちろん、日々あらゆる物事に触れる場面で、前提に囚われず、様々な視点からみて見ること(視点を水平に移動させて見ること)によって、柔軟な思考を鍛えていきたいですね。

それでは、本日もここまでお読みいただきありがとうございました。よければこちらも合わせてチェックしてみてください。

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