ボトルネックを解消して生産性を向上させる考え方「TOC(制約理論)」【業務改善】

こんにちは!探究.com編集部です。今回は業務プロセスの全体最適化を考える上で知っておきたい考え方「TOC」についての投稿です。生産性の向上、業務プロセスの改善などに課題を感じている方はぜひチェックしてみてください。

TOCの考え方

TOCとは?

TOC(Theory Of Constraints)とは、業務の全体最適化を行い生産性を改善する考え方で、日本語では「制約理論」「制約条件の理論」に該当するものです。E.M.ゴールドラット博士が提唱した理論がベースとなっており、書籍『The Goal』で一躍有名になりました。

制約条件とはボトルネックのことであり、システム全体の流量を規定するプロセスのことを意味します。簡単に言うと、このボトルネックを特定し、解消するのがTOCの考え方です。

スループットの向上

TOCではスループットを重要な評価指標として用います。スループットとは、商品・サービスを販売して得られるキャッシュから、販売するために投資したキャッシュを引いた額(売上高-真の変動費)を指します。このスループットの最大化を目指すのがTOCです。

部分最適ではなく全体最適を

スループットの向上を目指すにあたり、部分的な改善では、システム全体の生産能力や効率化に繋がらない場合があります。というのは、制約条件(ボトルネック)を特定せずにそれ以外のプロセスを改善しても、ボトルネックによって全体の流量が規定されてしまい、効果がないからです。そうした部分最適に陥らず、システム全体の最適化を目指します。

TOCの進め方

ボトルネックを特定する

ボトルネックを解消して生産性を向上させる考え方「TOC(制約理論)」【業務改善】

プロセス全体の流れを見て、全体の流量を規定しているボトルネックを特定します。上図の例は、Webサイト制作の営業から納品までを行なっているチームの業務プロセス例です。なお、ボトルネックについては下記の記事も合わせて参照ください。

ボトルネックを徹底的に活用する

特定したボトルネックの生産能力を最大にする方法を考えます。例えば制作のプロセスがボトルネックになっているとすると、制作コンテンツのテンプレート化や一人当たりの勤務時間数を増やすなど。

他のプロセスをボトルネックに合わせる

ボトルネック以外のプロセスで行っている作業量や投下している資源をボトルネックに合わせます。なお、稼働率が低いほど、過剰な資源を投下していることになり、無駄が発生していることが分かります。

ボトルネックの能力を強化する

無駄を削減することで生み出された資源(人・もの・金・情報など)を、ボトルネックの生産能力を向上させるために投入します。たとえば、資料作成を行っているメンバーの一部を制作のプロセスに回すなど。

繰り返す

一つのボトルネックを解消すると、また次のボトルネックが現れるため、ここまでの作業を繰り返し、全体プロセスの改善を進めていきます。

おわりに

以上、ボトルネックを解消して生産性を向上させる考え方「TOC(制約理論)」についてでした。業務の改善策を考えて実行するものの、生産性が中々向上しないという方はTOCの考え方を試してみてはいかがでしょうか。

それでは、本日もここまでお読みいただきありがとうございました。TOCについてより情報が欲しいという方はこちらの書籍も合わせてチェックしてみてください。

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