物事を比較の中で位置付けて考える相対思考

こんにちは!探究.com編集部です。今回は物事を考える際に押さえておきたい一つの思考「相対思考」についての投稿です。

思考が一点に集中してしまい、思考が凝り固まることがあるという方はぜひチェックしてみてください。

相対思考を用いて物事を位置付けて考える

相対思考とは?

他のものと比較することなく、いかなる場合も必ずであると考える思考を「絶対思考」と言います。一方、他の物事との比較の中で自身の考えを位置付ける思考が「相対思考」です。他の物事との関連性の中で考える思考法とも言えます。(「相対的な」は英語で「Relative」にあたる)

例えば、条件や状況に関わらず「このアイデアは良い」と主張し、他の選択肢を考えず独立した考え方をするのが絶対思考であり、「どのような基準で良いとするか」「このアイデアはどの程度良いのか」「逆に悪いアイデアとはどんなアイデアなのか」と複数の選択肢や事例の中で比較しながら考えていくのが相対思考です。

相対的思考の進め方

思考対象を設定する

思考の対象となる意見や主張、アイデアを設定します。例えば「ポスティングはすべきだ」という考えがあるとします。

考えている基準や文脈を言語化する

設定した主張はどのような基準や文脈のもとで考えているのかを考えます。「良い」とは「何を基準に良いとするのか」、「すべき」とは「どのような文脈においてすべきなのか」など。「ポスティングはすべきだ」というのは、例えば「販促方法として良いので活用すべき」なのか、「エリア別の認知獲得手段として良いので活用すべき」なのかと考えていきます。

相対化する

前提とする基準をもとに、比較軸を設定して思考を相対化します。例えば「販促方法としての有効性」といった軸を考え、「低い・高い」を考えるイメージとなります。最初の段階では「点」で捉えていた思考が、相対化によって「線」での思考に変わります。

思考を発展させる

相対的な認識の中でより良いアイデアはないか、逆に避けるべきアイデア(これではないと意識的に捉えるアイデア)はないかを考えます。

[補足1]他者の意見も相対的に捉えてみる

相対思考を用いることのメリットや、相対思考の主な思考手順について紹介してきました。相対的な物事の捉え方は、自身が思考を行う場合にはもちろん、他者の意見を聞き入れる時やコミュニケーションの際にも活用することができます。

周りのメンバーから「このアイデアは良い」と言われた時、どう良いのか、どの程度の良いのかを考えずに鵜呑みにするのではなく、他のアイデアとの比較の中で良さを捉えて位置づけます。そうすることで、より有効に建設的な対話、思考を展開することができます。

[補足2]相対思考の注意点

相対思考を活用することで、物事を多面的、巨視的に捉えることが可能となりますが、一方で、比べ過ぎてしまい結論が出せなくなる、あるいは周りに引っ張られてアイデアが平均的なものになってしまう可能性があるという注意点持っています。

相対思考を用いる場合には上記の点に注意し、意思決定を行う、あるいはアイデアの幅を広げる工夫を行うことが必要となります。

おわりに

以上、物事を比較の中で位置付けて考える相対思考【思考法】についてでした。相対的に物事を考えようとしていなくても、無意識的に相対思考を行なっているものです。相対思考を意識的に活用できるようになることは、相対性によるバイアスへの耐性を高めることに繋がるでしょう。様々な軸を設定し、思考を相対化して考えてみてはいかがでしょうか。

それでは、本日もここまでお読みいただきありがとうございました。問題解決の思考法に関して、よければこちらも合わせてチェックしてみてください。

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