こんにちは!探究.com編集部です。今回は、論理的思考や批判的思考を実践する力を高める「ディベート思考」についての投稿です。論理的思考が大事なことは分かるが、どうも概念的で実際にはどのようにトレーニングしていけば良いか分からない…という方はぜひチェックしてみてください。
ディベート思考で論理の解像度を高める
ディベート思考とは?
ディベートとは?
ディベートとは、論題に対して賛成・反対の立場に分かれて議論を行い、ジャッジマンを説得する過程を通して、論題に対する最善の解を探す議論形態の一つです。日本語では「討論」に当たります。例えば「原発を廃止すべきか」などの論題を設定し、賛成・反対に分かれて意見をぶつけ合わせることで、より良い解決策の獲得を目指します。賛否両論を用意するため、議論の方法としてはもちろん、物事を論理的に考える方法の一つとしても有効です。
ディベート思考とは
ディベート思考とは、このディベートの考え方を問題解決の場面に持ち込むことで、物事を論理的にとらえ、多様な視点で意見をぶつけ合わせながら、より良い結論を探究する思考法です。通常ディベートは二人以上で行うものですが、ここではひとりディベートの実施による、討論の特長を活用したディベート思考の考え方について紹介します。
ディベート思考の思考手順
論題を設定する
検討している事柄を論題に設定します。論題の内容は、具体的なアクションにつながるかどうか、そして賛成・反対に分かれることができるかどうかを意識して設定します。表現のフォーマットとしては「○○すべき」の形がオススメです。例えば「営業部門にリモートワークを採用すべきである」を論題として設定するなど。これがもし「未来の働き方はどうなる?」となると、発散度合いが高くなり結論を重視するディベート思考には向きません。
賛成意見を出す
論題に対して賛成の立場に立ち、賛成意見を思いつくだけ書き出します。5分間などの制限時間を決めておき、その時間内に書き出すようにします。
反対意見を出す
次に、反対の立場に立って、論題に対する反対意見を書き出します。「○○すべきでない」と思われる理由やデメリットを書き出したり、賛成意見として書き出した内容に対する反論を書き出していきます。
賛成と反対を繰り返す
次にまた賛成側の立場に立ち、反対意見として出した内容に対する反論を出します。以降、賛成・反対の意見出しを数回繰り返します。各立場における意見の内容はもちろん、開始時点で見えていなかった争点があぶり出されているかにも注目しましょう。
結論を出す
賛成・反対の意見を出し終えたら、中立の立場に立って議論の全体像を振り返ります。重要な争点は何か、より説得力のある意見は何か、意見をぶつけ合わせてみることによって得られた理解、気づきをもとに最終的な意思決定を行います。
おわりに
以上、論理的な思考力を高めるのに最適なディベート思考【思考法】についてでした。ひとりディベートはノートとペンがあればどこで実践できる手法の一つです。現在抱えている課題を設定し、実践してみてほしいと思います。
それでは、本日もここまでお読みいただきありがとうございました。ディベートや意思決定に関して、よければこちらも合わせてチェックしてみてください。
意思決定に活用できるフレームワーク「プロコン表」のテンプレート
取り組む課題の優先順位を検討する意思決定マトリクス【テンプレート掲載】
参考文献&オススメ書籍
田村 洋一 『ディベート道場 ― 思考と対話の稽古』 Evolving 2017年 [Amazon]