こんにちは!探究.com編集部です。今回はアイデア発想について考える上で知っておきたい思考様式「KJ法」についての投稿です。新しいアイデアを発想することの再現性を高めたいと考えている方は、ぜひ一度チェックし、トレーニングしてみてください。
当記事の作成にあたっての参考文献
発想法―創造性開発のために
KJ法について
KJ法とは?
KJ法とは、収集した情報や思いついたアイデアを記録し、グルーピングしていくことで、全体像の理解、新たな発想を生み出す思考法です。提唱者である、川喜田二郎氏の名前に由来し、KJ法と呼ばれます。
問題発見の場面から、アイデア発想の場面など、情報を収集してそこから何かしらの結論を出そうとする様々な場面で活用されます。
KJ法の進め方
テーマを設定
まず、発想・思考を行う対象となるテーマを設定します。取り組む問題や、研究したい対象が該当します。例えば、「自社の抱える人材育成面の問題」「お客様との関係性をよくする接客のあり方」など。
記録
KJ法の第一段階は情報を収集して「記録」することです。例えばアイデア発想の会議を行なっている場面では、ブレインストーミングなどを用いてテーマについて対話をし、その中で出てくるエッセンスをカードに記録します。この時、付箋や名刺サイズのカードに、対話されている話の内容の要点を1フレーズで書き込んで残していきます。
ポイントとしては、ハッキリとは分からないが「テーマに関連しそうなこと」も拾い集めておくということです。「これはテーマに関係ないから」と初期の段階で切り捨てず、カードに書き残しておきます。
グループ編成
書き出したカードを見て、同じ内容について論じているもの、近い意味を持つもの、をまとめてグループを作成します。その時、そのグループを一言で表す表札を付けます。
グループを作成する時の注意点は、どこにも属さないと感じるカードが出てきた時、それを無理に分類しようとせず、単体で置いておくことです。そのカードには、「それがどこにも属さない」ということに価値があります。
小さなグループを作った後、そのグループ間の中にも似たグループとそうでないグループがあることが分かります。その際、似たグループがある場合には、さらにそれらをグルーピングします(上図イメージ)。この時、最初の段階で残っていたカードが包含できるのであれば、含めていきます。
図解(グループ間の関係性の整理)
グループが完成したら、それぞれのグループの関係性を整理します。上図のように矢印などの記号を書き込むことで、何がメインテーマであり、何がサブテーマ、そして何が補足情報なのかを可視化していきます。
文章化
最後に、図解して関係性を可視化したものを一つの文章にします。図の状態では平面で多くの情報を表現できますが、文章にするとなると、一直線に論理を構築する必要があり、実際にその論理が自分の中で理解できているかが試されます。
文章化する中で論理を整理していきます。なお、このプロセスで図に問題があると感じる場合は、図を修正し、その修正した情報をもとに文章を修正するといった、相互を行き来する動きが現場では発生します。
おわりに:グルーピングから何を見出せるか
以上、アイデア発想や思考整理に役立つ手法「KJ法」についてでした。KJ方の肝はグルーピングにあります。単に情報を同じ意味を持つもので括っていくことでも発想はできますが、それが何を意味するのか?という上位、あるいは背景にある物事や意味、文脈に思考を巡らせることでこそ、意義のある発想を生み出すことができるでしょう。
KJ法は、一つの方法論としてフレームワークなどの文脈でも語られることがありますが、深く理解していくことで、思考、発見、洞察、様々な問題解決の力を向上することができる素晴らしいものだと思います。
それでは、本日もここまでお読みいただきありがとうございました。