こんにちは!探究.com編集部です。今回は日々の業務の生産性を高めるために知っておきたい「ボトルネック」の考え方についての投稿です。
仕事の生産性を高めたいと考えている方や、「ボトルネック」という言葉自体はよく聞けど分からないという方はぜひチェックしてみてください。
ボトルネックを特定する
ボトルネックとは?
ボトルネックとは、複数の工程から成るシステムにおいて、全体の生産性を規定してしまうスピードの遅い工程のことを意味します。例えば下図のような形状をしている瓶があり、上から下に向かって水を流す場面をイメージしてみましょう。
この時、(d)が全体(X)における水の流量を規定しており、最終的な流量を増やしたいのであれば(a)や(b)よりも(d)を改善することが重要です。この(d)の部分をボトルネックと呼びます。
ボトルネック以外の工程を非ボトルネックと呼びます。ボトルネックを考えることの重要性は、上図のように、非ボトルネックを改善したところで、ボトルネックが取り除かれていなければ全体の成果は変わらないという点にあります。むしろ、非ボトルネックを改善するために用いたコストが回収できないため、マイナスが増えることにも繋がります。
日々の業務の中でも、このように全体の生産性を規定するプロセス、つまり「ボトルネック」が存在しており、その部分を特定して改善することで、問題の発見や解決を促進していくことが重要です。
ボトルネックの特定に関する考え方
プロセスの可視化
業務の全体像と部分的な各プロセスを可視化します。例えば「動画を作成して公開する」という工程をチームで分業していたとしましょう。すると、仮に下記のようなプロセス分解が仮に考えられます。
動画を公開するまでの工程
企画
↓
撮影
↓
素材のカット
↓
動画編集
↓
文字入れ
業務効率の可視化
次に各プロセスにおける処理能力を可視化します。処理能力を考える際には、単位時間あたりどれだけの処理を実行できるかを考えます。例の場合は各工程において、1時間あたり何本分の処理を実行できるかを考えているため単位は「本/時間」となります。また、各プロセスでの稼働率も合わせて把握しておくと改善計画を立てやすくなります。
ボトルネックを特定する
各プロセスの処理能力を可視化できたら、ボトルネックとなっているプロセスを特定します。例の場合は「撮影」のプロセスが2(本/時間)となっており、全体の生産量を規定しています。つまりこの部分がボトルネックにあたります。
ボトルネックを解消する方法を考える
特定したボトルネックをどうすれば解消できるかを考えます。「撮影」というプロセスの処理能力をどうすれば高められるかを考えるということです。例えば撮影の人数を増やす、部分的に外注するなどして、撮影部分の処理能力を2倍の4(本/時間)に増やすことができれば、全体の生産量も2倍になります。
なお、一つのボトルネックを解消すると、また次のボトルネックが現れることになります。例えば「撮影」の処理能力を6 (本/時間)まで高めたとすると、次は「文字入れ」が4 (本/時間)でボトルネックとなり、この部分の改善を行うことによってさらに生産性を高めて行きます。
おわりに
以上、ボトルネックとは?システム全体の生産性を規定しているプロセスを特定する【調査分析】についてでした。
ボトルネックの特定を怠り、非ボトルネックに集中してしまうということは意識していなければ陥りがちです。例えば「動画編集の速度を上げるべきだ!」と意気込んでも、撮影のスピードが上がらなければ成果は変わらない、その事実を頭に置いておくことが重要です。
それでは、本日もここまでお読みいただきありがとうございました。こちらの記事も合わせてチェックしてみてください。
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