こんにちは!探究.com編集部です。今回はアンゾフの成長マトリクスを活用する上で知っておきたい、シナジーの種類についての投稿です。
まず、「アンゾフの成長マトリクスとは何か?」「シナジーとは何か?」については、下記の記事を事前にチェックしてみてください。
事業の成長戦略を考えるフレームワーク「アンゾフの成長マトリクス」【テンプレート掲載】
シナジー(相乗効果)とは?何かを考える【アンゾフの成長マトリクス活用法】
主なシナジーの考え方の項目
販売シナジー
販売に関するシナジー。複数の製品を市場に展開する際、共通の流通経路(チャネル)、共通の販売組織を用いる時に生まれるシナジーが該当します。例えば既存の運送会社でまとめて運ぶことができる、既存の倉庫で管理できるなど。あるいは、過去にヒット作を展開したことのある信頼度の高い流通経路を活用できる、といった無形資産を活用できる部分があれば、それも販売シナジーと言えます。
操業シナジー
生産を中心としたランディングコストに関するシナジー。同じ原材料で生産できる場合や、共通の仕入れ先がある場合、そして既存の人材や共通の技能(スキル)を用いて生産可能な製品を展開する場合にはシナジーが生まれると考えます。
投資シナジー
投資済みの設備や成熟済みの技能、近い領域での研究開発、を活かして新しい製品を開発できる場合には、そうでない場合に比べてシナジーがあると考えます。
マネジメント・シナジー
組織のマネジメント経験に関するシナジー。例えば飲食店の組織マネジメントを経験したことがある場合は、近い組織形態をとる事業形態で展開する場合にはそうでない場合よりシナジーが生まれます。
新店舗の立ち上げ経験、起業経験、あるいは廃業経験。アルバイトの採用経験の有無、M&A経験の有無、などなど、管理業務や意思決定における経験の有無が、新規の戦略をとる際に共通性があれば、シナジーを生むことができます(過去の成功体験に引っ張られるという危険性もあるため注意も必要)。
おわりに
以上、アンゾフの成長マトリクスを活用する上で押さえておきたい主なシナジーの項目についてでした。販売シナジー、操業シナジー、投資シナジー、マネジメントシナジー、これらを意識した場合に、自社が現状保有している資源にはどんなものがあるか?を考えてみてください。
それでは、本日もここまでお読みいただきありがとうございました。
参考文献
『企業戦略論』(H・I・アンゾフ著/広田寿亮訳/産業能率大学出版部/1985年)p100ジネスフレームワーク図鑑を刊行し、現在4刷となりました。これもひとえに、手に取ってく…