シナジー(相乗効果)とは?何かを考える【アンゾフの成長マトリクス活用法】

こんにちは!探究.com編集部です。本日は戦略立案のビジネスフレームワーク「アンゾフの成長マトリクス」について考える上で欠かせない、「シナジー」についての投稿です。

「シナジー(synergy)」を日本語にすれば「相乗効果」で、よく耳にするし、自分でも日常的に使う言葉の一つですが、改めて意味は?と聞かれると、答えられないという方も多いのではないでしょうか。戦略を考えて具体的な意思決定につなげていくためには、その言葉に対する解像度を高めたいところです。

そう言われるとぼんやりとしか考えられていない…という方はぜひ、当記事の内容をチェックしてみてください。なお、アンゾフの成長マトリクスについてよく分からないという方は下記の記事を事前にお読みください。

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シナジー(相乗効果)について考える

アンゾフの成長マトリクス活用のポイントはシナジー

まずはじめに、アンゾフの成長マトリクスとは、市場と製品のセットにおいて、それぞれ既存と新規のマトリクスを用いて、事業の成長戦略を考える手法でした。

シナジー(相乗効果)とは?何かを考える【アンゾフの成長マトリクス活用法】

それぞれの象限には「市場浸透」「新製品開発」「市場開拓」「多角化」という戦略名が名付けられており、それぞれにアイデアを発想していくことができるものでした。そして、数ある戦略立案の考え方でもこのアンゾフの成長マトリクスが重視しているのは「既存事業とのシナジー」なのです。

シナジーとは何を意味するのか?

ではそのシナジーとは何か?戦略論の中では「2+2=5」になること、と比喩されます。これをもう少し具体的に理解するには「ROI」について考えます。

シナジー(相乗効果)とは?何かを考える【アンゾフの成長マトリクス活用法】

一つの市場と製品の組み合わせを考えて売上げを得るまで、製品の原料費や加工費、労務費や関節人件費などの「操業費」がかかります。実際に得た「売上げ」から「操業費」を引いた金額が「利益」です。

設備やスキル習得にかかる費用など「投資額」があり、「利益」を「投資額」で割ったものを「ROI(投資利益率)」と言います。ROIが高いほど、少ないコストで大きな利益を得ている状態を意味します。

シナジー(相乗効果)とは?何かを考える【アンゾフの成長マトリクス活用法】

そのROIですが、複数の市場-製品の組み合わせを考える際には、それぞれにROIが存在します(上図のイメージ)。つまり、既存の市場-製品には既存のROIが、新しい市場-製品には新しいROIがそれぞれ存在するという訳です。

シナジー(相乗効果)とは?何かを考える【アンゾフの成長マトリクス活用法】

複数の市場-製品の組み合わせが存在する場合、例えば上図のように「操業費」として発生する要素が被る場合があります。そうすると被っている分、全体の操業費を抑えることができます。これがまさに「2+2=5」になるという意味であり、シナジーを定量的に考える方法であります。

シナジー(相乗効果)とは?何かを考える【アンゾフの成長マトリクス活用法】

または、投資額を構成する要素に被っているものがあれば、それもまたシナジーを生み出すことに繋がります。例えば、既存の設備を活用して開発できるものは、そうでないものに比べて、ROIが高くなりますし、今持っているスキルを使って提供できるサービスは、そうでないものに比べてROIが高くなります。

このように、操業費に被っている要素があるもの、投資額を構成する要素に被っている要素があるものへと展開していくことが、シナジーを生み出すことに繋がります。

おわりに

以上、シナジー(相乗効果)とは?何かを考える【アンゾフの成長マトリクス活用法】についてでした。今回はシナジーとは?というテーマでエッセンスを共有しました。操業費や投資額を構成する要素を分解して考える際には、自社のリソース分析系の手法を活用するのがオススメです。下記の記事も合わせてチェックしてみてください。

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参考文献

『企業戦略論』(H・I・アンゾフ著/広田寿亮訳/産業能率大学出版部/1985年)

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