書籍『マンガでカンタン!ビジネスフレームワークの活用法は7日間でわかります。』より、
「表面のデータでは見えないニーズや課題」に向き合うチームが、
仮説設定というフレームで前に進む物語をご紹介します。
「データはある。でも、なぜ売れないのかがわからない」
売上の回復、新規市場の開拓、環境対応やデジタル化への転換…
ゆうみチームは、これまでにたくさんの情報とフレームを使って、戦略を描いてきました。
でも、なぜか次の一手が決まらない。
それは、“見えている問題”の奥にある「本当の課題」にたどり着けていないからでした。
仮説設定とは?
「こうではないか?」という“前提”をあえてつくり、検証していくことで、
ユーザーの隠れたニーズや課題を明らかにするための思考のフレームワークです。
こんな悩みのときに効きます
- 定性データやフィードバックがふわっとしていて、次の施策に落とせない
- データはあるけれど、本当のニーズや意思決定の理由が見えない
- 提案や商品が刺さらないけど、なぜダメなのか誰も説明できない
たとえば、こんな仮説を立てる
ユーザーの見えた声 | 見えないニーズへの仮説 |
---|---|
「本は重いから読まない」 | → 本当は「読みたい理由がない」かもしれない |
「デジタルで学べるのがいい」 | → でも「信頼できる相手から教わる体験」を求めているのかも |
「値段が高い」 | → 実は「価格以上の価値が伝わっていない」だけかもしれない |
仮説は“思い込み”ではない
仮説とは、検証の出発点となる「観察にもとづいた仮の答え」です。
- 見えている情報から、問いを立てる
- 因果関係や意図を“推測”する
- 検証可能なかたちで言語化する
このプロセスがあることで、
「次に何を調べるか」「どこを試せばいいか」が見えてきます。
チームで使うときの進め方
- ユーザーのニーズや行動パターンを挙げる
- 「なぜ?」と問いを立て、背景や感情を掘り下げる
- 「こうでは?」という仮説を言語化し、検証できる形にする
ビジョン・戦略・課題をつなぐ“問いの連鎖”
- PEST分析: 外部環境の変化とリスク・機会を読み取る
- Will / Can / Must分析: 戦略的な優先順位を整理する
- ビジョン&ステートメントキャンバス: 組織としての“軸”と“意味”を言語化する
- 仮説設定: ユーザー視点に立ち返り、“本当に解くべき課題”を見極める
“思考の整理”が“実行可能な戦略”に変わり、
プロジェクトが確実に前に進みます。