確率と期待値を考慮して意思決定を行うための手法ディシジョンツリー【フレームワーク】

こんにちは!探究.com編集部です。問題解決の場面においては、大なり小なり何らかの「意思決定」を行う必要があります。

今回は、意思決定の際に活用できる手法「ディシジョンツリー」について投稿しています。目の前の選択肢に盲目的に取り組みがちであるという方はぜひチェックしてみてください。

ディシジョンツリーを用いて意思決定の質を高める

ディシジョンツリーとは?

ディシジョンツリーとは、考えられるアクションの選択肢とその結果起き得る状況を一覧化し、それぞれの成功確率を可視化する手法です。

問題解決の場面において、考え得る解決策はいくら論理的に考えられたものだったとしても、100%成功するということはほぼあり得ず、多かれ少なかれ不確実性を持っています。そこで、不確実性を考慮した上で、成功確率の高い選択肢を選び、目的達成の精度を高めようとする考え方が生まれ、そういった確率思考の考え方の中で重宝されるのがディシジョンツリーです。

ディシジョンツリーの活用法

実際にディシジョンツリーの使用イメージを考えてみましょう。ここでは、商品化のアイデアがAとBの2つ挙がり、どちらを商品化するかを考える場合を例として取り上げます。

例題で使用する前提条件

Aのアイデアを商品化する場合には500万円の設備投資の必要があり、ヒットする確率は70%、ヒットしない確率は30%、ヒットした場合の売り上げは2,000万円(利益 1,500万円)、失敗した場合は設備投資以外に500万円の損失がある(利益 -1,000万円)と予想されるとします。

Bの場合には1,000万円の設備投資が必要で、ヒットする確率、ヒットしない確率は共に50%、ヒットした場合の売り上げは3,000万円(利益 2,000万円)、失敗した場合は設備投資以外に500万円の損失がある(利益 -1,500万円)と予想されるとします。

選択肢の洗い出し

意思決定の場面における選択肢をまずは洗い出しツリー状に整理します。今回の例ではアイデアAを商品化する、Bを商品化するという2つの選択肢が存在します。

結果の予想

各選択肢の判断の結果、どのような状況になり得るかを想定します。例えばアイデアAを商品化した場合、ヒットする、ヒットしないの2パターンを想定するなど。選択肢と結果が予想できたら、ツリー状に整理します。このツリーをディシジョンツリーと呼びます。

<表記方法の補足>
ディシジョンツリーを作成する際、何らかの判断を行う点を「決定ノード」といい「□」記号で表します。決定ノードからの分岐は判断の選択肢を意味します。そして、判断の結果などの何らかの情報が明らかになる点を「確率ノード」といい「◯」記号で表します。確率ノードからの分岐は起き得る状況を表します。

確率の設定と期待値の計算

起き得る状況それぞれの発生確率を設定します。その後、選択肢毎の期待値を計算します。期待値は、確率と評価の掛け算の和によって算出されます。

意思決定を行う

選択肢毎の期待値を比較し、最終的な意思決定を行います。この例の場合では、アイデアAの方がBより期待値が高く、選択すべきはAであると考えることができます。

ディシジョンツリー活用のメリットと注意点

ディシジョンツリー活用のメリット

ここまでで触れてきたように、取り得ることのできる選択肢と、その判断毎の結果の期待値を俯瞰し、合理的な意思決定を行える点がディシジョンツリーを活用するメリットです。

ディシジョンツリー活用の注意点

ディシジョンツリーは便利である一方、注意点も持っています。まず、ディシジョンツリーでは確率を予想できる必要があり、予想する材料が収集できないような未経験なシチュエーションには向いていません。ゆえに、これまでに挑戦したことのないような未知の分野での活用には難しさがあります。この点には注意をしておく必要があります。

おわりに

以上、確率と期待値を考慮して意思決定を行うための手法ディシジョンツリー【フレームワーク】についてでした。今回はディシジョンツリーの簡易的な紹介にとどまっていますが、詳しく知りたい場合は下記の書籍がおすすめです。

それでは、本日もここまでお読みいただきありがとうございました。意思決定やフレームワークに関して、よければこちらの記事も合わせてチェックしてみてください。

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