こんにちは!探究.com編集部です。今回は、問題解決の思考力を高める上で欠かせない因果関係についての投稿です。問題を解決しようとアクションを起こすものの、なぜか状況は改善されない…という方はぜひ一度、因果関係について改めてチェックしてみてください。
因果関係を見極める
因果関係分析とは?
因果関係とは、物事の関係が原因と結果(Aが原因でBという結果が得られる)の関係になっていることを言います。例えば期限切れの食品を食べたため(原因)、腹痛を起こした(結果)などの関係のことです。
もしこれが本当に「期限切れの食品を食べた」事が原因である場合、「お腹を温める」などの予防策を講じても、期限切れの食品を食べてしまわないようにしない限り、同じ問題が発生します。問題解決の成功には、正しく因果関係を正しく掴む事が必要であり、因果関係分析とはこうした因果の関係を分析する思考のことを言います。
まずは因果関係が成り立つ条件
因果関係が成り立つ条件を最初に押さえます。チェック項目は3つです。1つ目は時間軸で言えば先に原因がありその後に結果があること。2つ目に、必ず因果関係であると同時に相関関係が存在すること。相関関係とは、一方の変数が増加すれば、もう一方も増加または減少する関係のことです。
3つ目に、第三因子が存在しないこと。第三因子とは、2つの事象それぞれを引き起こす原因となっている因子のことです。第三因子が存在すると、さもその結果である2つの事象の間に因果関係があるように思ってしまうことがあります。
因果関係分析の考え方
結果に対する原因を想定する
売り上げの減少や社員の離職率上昇など、考える対象となる結果をまず設定します。原因であると考えられる候補は1つのみの場合もあれば、複数考えられる場合もあります。結果に対してなぜ?と問いかけることで、原因であると考えられる要素をリストアップしていきます。
因果関係を整理する
リストアップした原因の候補がそれぞれ、上述した3つの条件に沿っているかをチェックします。不適切だと判明したな候補は除外し、追加調査が必要な候補については情報を集め、修正を加えながら最終的に正しいと考えられる因果関係を整理します。
なお、上図の例では「営業チームAのメンバーの成績が上昇した」という結果に対する原因を想定しているものです。[想定している原因]を因果関係と捉えたとすると、この場合は[本当の原因]の存在が見えていません。第三因子がチェックできていないと、営業チームの成績を上げるには筋トレをすべきだと言った間違った結論に至ってしまうことが考えられます。
なぜか?という問いを粘り強く考えて、客観的に因果をチェックすることが大切です。
おわりに
以上、原因と結果の関係性を考える因果関係分析【思考法】についてでした。どのように問題を解くかは大切ですが、そもそもどんな問題を解くか?という視点は非常に重要です。そのためには、問題の原因を正しく突き止めるチカラが必要不可欠でしょう。
因果関係の分析力は一朝一夕で身につくものではありません。日々の様々な出来事に対し、この事象はどのような因果のもとに起きているのだろうか?という問いを持ってトレーニングしてみてほしいと思います。それでは、本日もここまでお読みいただきありがとうございました。