メンバー同士の対立について考えるフレームワーク「対立モード」【組織マネジメント】

こんにちは!探究.com編集部です。今回はメンバーとメンバーの間に翔じる対立(コンフリクト)について考えるフレームワーク「対立モード」についての投稿です。

人と人の意見や言動が衝突してしまった時、どのように対応するかは頭を悩ます種の一つかと思います。対立モードは、人と人とが衝突するときのモードを分類し、それぞれ有効な対応の方向性を示してくれるものです。組織のマネジメントを担う立場にある方はぜひ一度チェックしてみてください。

対立モードについて

対立モードとは?

対立モードとは、心理学者のトーマスとキルマンが提唱した理論で、人が対立した際にとりうる態度を5つに分類したものです。

メンバー同士の対立について考えるフレームワーク「対立モード」【組織マネジメント】

「自己を主張する度合い」と「他者を理解しようとする度合い」の2つの要素を軸としてマトリクスを作成し、それぞれ5つの態度を競争・協調・受容・回避・妥協と名付け、上図の様に分類します。

5つの対立モード

競争的

自己主張が強く、非協力的な態度。自分の意見や考えに強い自信や信念を持っていて、相手に自分の意見を強制する、あるいは相手を犠牲にしてでも自分の意見を通す状態です。

受容的

自己主張が弱く、相手の意見や考えを受け入れようとする態度。自分の意見や考え、利益よりも相手の主張を重んじて行動しようとする状態です。他者への理解を示し、全体としてのアクションを推進しやすい状態にありますが、自分の意見を持たない意思決定につながっている場合があるので注意が必要です。

協調的

自分の意見を持ちつつ、相手の意見も理解しようとする態度。自分と相手の意見や考えのどこか共通しており、どのような点で対立しているのか?を正確に掴み、建設系なコミュニケーションを行おうとする状態です。

回避的

自己主張をせず、相手の意見や考えを理解しようともしない、対立自体を避けようとする態度です。その場はなんとかやり過ごせるものの、何も問題は解決しないため、主体的な目的を持たない回避的な態度は問題の先送りと言える状態です。

妥協的

自己主張を抑え、相手の意見も一定割合で受け入れようとする態度。協調的とは似て非なる態度です。協調が120%の出力を目指す建設的な態度であるのに対し、妥協は双方が70%で第三の道を見つけようといった態度であるという違いがあります(数値は比喩としての例)。

どの態度が正しいという正解がある訳ではない

協調的な問題解決がWin-Winであり、最も発展的な関係構築につながるとされますが、必ずしも協調的な態度が良いとは限りません。その場その場で相手の態度や、その態度の背景にある心理や感情を理解しようと務めることが重要です。

組織やチームをマネジメントする立場にある方、あるいは日々の業務の中で感じる対立を解消したいと考えている方は意識してみてください。

対立が悪とも限らない

また、対立を解消しようと考えている場合、「対立は悪いものである」という振り切った考え方になってしまう場合がありますが、必ずしも対立が悪というわけではありません。

むしろ、建設的なコミュニケーションを図るためには、対立は必要不可欠なものと言えます。例えば「従来のやり方を変えて新たなチャレンジをする」「本音をぶつけ合って相手のことを理解しようとする」「部下の成長を思って厳しく批判的な問いをぶつける」、これらは組織には必要な歩みであり、対立を効果的に用いているシーンの例と言えるでしょう。

つまり、「対立が生じていること」そのものが問題なのではなく、「対立に振り回されていること」「対立をコントロールできていないこと」が問題であると考えます。5つの対立モードを理解し、自分たちがその時々、どのような対立を生んでいるかを把握し、効果的に対立を扱えるようになることが強い組織づくりのためには重要です。

おわりに

以上、メンバー同士の対立について考えるフレームワーク「対立モード」【組織マネジメント】についてでした。5つの対立モードをいきなり使いこなすのは難しいかもしれませんが、「自己を主張する度合い」と「他者を理解しようとする度合い」の2つを意識しておくだけでも、より良い関係構築につながっていくのではないかと思います。

それでは、本日もここまでお読みいただきありがとうございました。組織マネジメント、組織開発関連について、よければこちらも合わせてチェックしてみてください。

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